日記/はるな
 
われで、すこしでも救われますようにってまた床を磨く。だからうちはきれい床ぴかぴか、ごみもないし、賞味期限切れのマヨネーズもないし、ぜんぶそういうのはパソコンおよびインターネットのなみのあいだに隠してあるから。の!はずなのに、きれぎれの睡眠の間に増えるレシートと送信履歴と送信取り消し履歴、かれちゃったカンパニュラとカーネーション、夕方、夕方が長いから、何月なんだかわかんない。七時になったらお風呂わかそうね。割れちゃったお茶碗をごみに出そうね。生きているふうに息をしようね。あばれまわる少女の背中に手を置いて、噛まれながら、言い聞かせる。ぜんぶなにもかも必要なことだよ。あるいはなにひとつ必要じゃないんだから、やっぱり大丈夫だよ。
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