蜥蜴の行方の先の素描/ホロウ・シカエルボク
としていないからだ、ありのままに、現象として放り出すことが一番いいことだと気付いたからだ、つまりそこにはどんな意図も存在していないということになる、ベッドの上で見る夢に辻褄を期待する者は居ないだろう、そんなものに出来た話を期待してはいけない、どんなに良く出来た夢だってきっと途中で目覚めてしまうからだ、ああそうか、と俺は思う、一夜の夢のような詩が良い、深い忘我、だらしなく垂れ流されるイメージ、雑多な事柄のみでこしらえた連続性…それが俺の考える世界の誠実さだ、そうだろう、どうせ途中で目覚めてしまうものなのだ、思い返してごらん、それはいつだってそうだったはずだ、真実は完結しない、命が失われてもそれは完結
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