桜の思い出/番田 
 

僕は夜を
遠くを見ることによって感じる
そして静かに公園を歩く
僕ではない存在を思いながら
ベンチの方へと歩く
桜を 色として感じ取りながら
その一枚を 手にとって
もう一枚を 掴みそこねて
腰をそこに下ろす


僕はベンチの方へと歩いた
時々コーラを飲んでいた 手で
夢を見ていたのかもしれない 頭で
頭の中ではそれを否定しながら
コーラを飲んでいた
桜のもう 散った景色で
わずかに 残る 一枚を
今日の手に取っていた 



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