満ち足りて何も言いたいことがない日/
昼寝ヒルズ
満ち足りて
何も言いたいことがない日
わたしは
使われなかった切符になっていた
古いけれど新しくて
行きたかったけれど行けなかった
そんな後悔さえも通り過ぎて
紙きれのように たいらで
いつしか
変わってしまった行き先こそ
私の終着駅なのだと
言いきかせることもなく
ただの
いちまいとして
列車を見送りながら
わたしは
静かに置かれていた
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