ただの/ふるる
 
椅子を引いたとき
床と
椅子の足
どっちが鳴ったか知らないよね

坂道をのぼるとき
ちょうど追い風だったけど
僕のためにじゃないよね

遅くまで空が明るくて
不思議な色で
急に暗くなって
でも
わざとじゃないよね

猫を三匹も見かけたけど
それぞれ違う時
別々の所に
行こうとしていただけ

ただの日常なんだ

床と
椅子の足
どっちが鳴ったか知らないよね

明日も
その次も











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