語の受容と解釈の性差について──ディキンスンとホイットマン/田中宏輔
 
したと仮定してさえも、その発見はそれだけで精神を圧倒するに充分だったことでありましょう。──が、私たちがただ今理解せよと命じられていることはいったいいかなることなのか。すなわち、各原子が牽引し──他のすべての原子のこの上なき微妙な運動に共鳴し、それ一つだけを考えてみても人間想像力の把握をまったく許さぬ複雑さを持った法則に従って、他の一つびとつ、あらゆる原子と、同時に、かつ永遠に、共鳴するということです。」(ポオ『ユリイカ』牧野信一・小川和夫訳)そうなのだ、わたしがポオに魅かれる最大の理由が、このさいごに引用したポオの言葉のなかにあるのだ。自我とかロゴス(形成力)とかいったものの源が論理や法則にある
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