意識のキザハシ/
ひだかたけし
瞳に光帯びた貴女が現れ
意識の壁に穴が開く
降り続ける雨に濡れ
迎えに来た母親を忘却し
走り廻る走り廻る
ずぶ濡れでへっちゃらで
胸の奥に鉛の重り抱え
死にかけながら
活きいき打刻し
華やぐヒビキ在りて
狭い溝道の
猛スピードで過ぎゆく
哀しげに崩れる貴女の相貌
白い手が伸びて来る
ああ誘いの階の光帯び
伸びて来る、伸びて来る
努め営み死につつ努め
このイノチだけは守らんと
瞳未だ光帯び捧げ立ちて
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