痩せた猿が誘蛾灯の下で/ホロウ・シカエルボク
 
るシェービングクリームを探したが見つからなかったので適当に同じくらいの値段のものを選んでレジへ行った、他に客も見当たらなかったので入口の猿はなんなのかと尋ねてみた、ああ、店員も退屈していたのか無駄話が出来ることを喜んでいるようだった、なんてことはないですよ、ろくな言葉もないくせに自分を人に誰かに認めてもらおうとしてるんです、そこの山から下りてきてここまで、道中出会う人間を下らない話につきあわせるんです、駐車場をうろついている間はまだよかったんですがね、店の中まで入り込んできてお客さんとか、接客中の店員にまで話しかけてくるようになって、目に余るようになったんでバイトの交代のタイミング、店内に店員がた
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