叫び/秋葉竹
 


  

ぎんいろのメトロポリスは
少し遅めの帰宅の列車を吐き出すよ

みあげれば
満月が狂ったみたいな赤色で

川べりを走る電車たちに
まるで異世界色の桜の花びらが降りそそぐよ

電車は無機質な音を立てて
何万回と走った景色にうんざりしてるよ

川面を照らすキラッキラの街の灯も
昨夜と同じ悲しみだけが少し濃いめかな

家に早く帰ろうと
想っているひとはどれくらいいるだろうか

もはや失敗だったと
想っているひとはどれくらいいるだろうか

だれもいちどきりの人生を
初めて生きてんだから

そりゃまぁ失敗くらいするよなぁ
けどしないヤツがみ
[次のページ]
戻る   Point(3)