チェロの深い音/
flygande
集まってきた人々のように
小さなレジャーシートの上
ひとつかふたつ手土産をもって
帰りの電車で
読むための詩集を一冊渡して
信じるために体はある
そこに心があることを
何も知らない
菜の花の海にまぎれて
信じてくれてありがとう
君が信じてくれたとき
わたしははじめてここにいた
*
水を愛した
海の影
振り返るにはまだ近い船
見えるものが青くて
見えないものまでも青くて
今日
やっとわたしにも
それが春のように聞こえた
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