そしてまた始まる/itukamitaniji
そしてまた始まる
「じゃあまた」って いつもみたいに手を振った君の顔には
さっきまで誰かに見せてた笑顔が しばらく張り付いてた
最後まで気の利いたことも言えないまま
すぐに泣き出したくなった心は耐えて
ブルブルと震えてた 震えてた
もらってばっかりだったよ 何にも返せないのに
荷物は重たいのに 何にも捨てられずただかさばるだけ
坂道の途中でもう振り返る
さっきまで一緒に居たはずの背中
遥か遠く 小さくなっていく
冗談みたいな毎日が 積み重なって至った今日だ
今ここに立っているのは あの日くじけてしまった自分
何度となく繰り返して 戻ってきた振り出しで
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