五行歌 徒然に/
レタス
わかりたくて
わからなくて
ふたりうつむいた
残像は静止したまま
スイッチを手探る
さくら咲く公園で
泣いたきみ
だきしめ
だきしめられた
黒曜の夜
ひたすらに
寝る間もなく
水を磨いた三十余年
みなに届けよ
命の水を
夕暮れに
古き都の二月堂
ゆびを指し
あの光はきみの家
あれはぼくの帰る駅
深海に
まどろむ骸の鎮魂歌
哀しく響き
古代魚はゆっくりと
通り過ぎていく
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