花曇/あらい
 
ごもる躯という連絡船は
いのちという理屈がねじ込まれるあたり、
けれどむき出しの蒼天、輪郭が崩れていくのを
その偽薬、おもえば生か死か箱庭は斜面
黙って見過ごせばいいのに微酔のさま
剥離した余剰なものが穴から溢れたものと 
ゆめでもなく、致死量を浴びた

無地に花と折る、咲う――劣情。賭して息吹
もしゃくしゃすっから、投げ出せず震えてんのか

かけ狂うじてしまった桜色にこうして
ぐだらぐだらとのさばる、眞砂のうつわでは
ヒカリの状態で濡れている。この弛んだ鍵の束
求めることなどただ、漉いた部分から錆びて
落ちないように埋め尽くしてしまいたいだけで
染み込んだままの微熱と富んだトビラがある

ふくよかな春風は強く背を押しては
すっと燃え尽きてしまうもの
掬いきれずに薄明、ここまできたけれども
くだらないなぁ こりゃ地獄の空だ
あんた生きているんだろう
じゃあな 花筏、それが凡てだ

意味も形も知ったところでなんも変わらない
帰ることが成らない、流れもの 総ては明け離れる
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