「神秘体験について」/ジム・プリマス
とても怒っていた。僕を追い立てていた、悪想念というか、悪霊と呼ぶべきものなのか、それに向けられた凄まじい公憤だった。僕を追い立てていた者は、悪想念を宿した人間の姿をしていたが、それが実体だったのか妄想が生んだ幻なのか今でも定かではない。
とにかくその人の姿をしている者たちの運転する車が、僕が運転する車の進路を塞いで妨害したり、車のうしろや横について、追い立て、煽ってくるのを直接、または、バックミラー越しに睨みつけると、その者たちは、一様にこちらを蔑むようにニヤニヤ笑っていたが、その表情がたちまち恐怖で凍りつき、身体を痙攣させて、蜘蛛の子を散らすように逃げ去って行ってしまった。自分の目から強い光
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