快速貨車の鼻先に/
まーつん
流れ星のように飛び込んでいく
沢山の人々が、快速電車の鼻先に
僕の知らない人々が
僕の知らない苦しみから逃れるため
都市の動脈に流れる人の移動を堰き止めまでして
すぐに消えていく足跡を、砂浜に残していく
それを知った時に思い出す
偽善的な悲しみに飽きて
すれっからしの娼婦が
股から流す涙に血が混じる
釣り広告の文字が
枯葉となって落ちていく
ああ、他人の死を、言葉で飾りたくない
でもそれ以外に、悼む術を知らない
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