世界で一番ポコチンが小さい男/花形新次
この日を境に
もう元のようには
戻れないのではないか
と思ったことがある
阪神淡路大震災がそうだし
地下鉄サリン事件がそうだった
東日本大震災もそうだし
コロナ騒動もだ
その度に僕は
世界の終わりの予兆のようなものを感じ
片方では恐怖に怯えながら
片方ではすべてが混沌の中に埋没して
終末へと向かうのではないか
と期待していた
しかしそんな期待とは裏腹に
世界はあっという間に
元の姿を取り戻し
変わりのない日常が始まった
(もちろん多くのものを失い
決して元通りに戻ることが出来ない人が
沢山いることは知っているけれど)
僕はいつでも迷子のように
取り残されて
彷徨い続けている
自分で自分の人生を断ち切れない
僕がいけないだけなんだけれど
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