鉄橋/ 湯 煙
‥ガタンゴトン ガタンゴトン‥
連結された、蛇のようにながったらしいJR貨物列車が一日数本、北から南へ通過する貴重なチャンスを逃すまいと集結した、いい年した鉄チャンらが人の迷惑などもろともせずカメラ小僧気取りでカシャカシャする橋のたもと、一本橋を支える、雨風の染み付いた、そのむせびなく木板を渡っておろおろと進むうち、きらきら星を散りばめたような顔を照り返し悠々と流れる淀川にさしかかるとともに震える足は歩みを止め、見上げれば翼を広げた鷺が私を振り返ることもなく空を往き、下を覗けばヌー‥ヌー ー ヌー‥ と、まるで昔からの住人であるかのごとくとぼけた我が物顔でヌ
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