『夢幻空花』 二、 闇尾超からの贈り物/積 緋露雪00
 
ないとのことであった。
 私と闇尾超の関係は幼馴染みで、所謂、竹馬の友であった。高校までは闇尾超とは同級生として私は過ごし、大学は別であった。学校が別になると闇尾超と私は自然と疎遠になってしまひ、音信不通であったが、私も闇尾超も何を考へてゐるのかは以心伝心の如くお互ひお見通しであったと思ふ。つまり、お互ひ会ふことはなかったが、それは、お互ひが今何に悩んでゐて、また、何を考へてゐるのかが手に取るやうに解ってゐたからである。それは闇尾超が書き残した大学Noteを読めば明らかであった。

――己に対して猜疑心が芽生えるともうそれは歯止めが利かぬ。それはそもそも私なんぞの存在自体が脆弱であり、己に対
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