音のない雨/ホロウ・シカエルボク
もいつかは分かる時が来るだろうさ、望むかたちではないかもしれないけれどね、人生も、人間も、宿命も、信念も思うままにかたちを変える、いつだってその誤差を修正しながら地面を這いつくばるのさ、まるで長寿の羽虫だ、出来ることは限られているのに時間は腐るほどある、生きあぐねて飛びもせず、羽を震わせているだけの毎日なんて御免だ、個としての価値を持てないものたちはデモ隊みたいに連なって満足する、ノリだけで生きてきた空っぽ野郎が俺を評価出来る気で居るなんてお笑い草だね、俺は誰かを屠る時に他人の手を借りようなんて思わないぜ、真実は自分ひとりで、いつだって自分ひとりさ、余計な前提の無いところで、血眼になって掴み取るの
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