violet/パンジーの切先(ハツ)
。彼からくる手紙の大体は、図鑑に書いてある星座の解説が写してあるだけだったけれど、彼とは大人になっても友人を続けていた。
最後に会った日、「小学生のころのきみ、変だったよね。いつもおどけてた。おもしろかったけどね」。わたしはあの頃の癖で、とっさに笑って返したりけれど、それから言い訳をつけてすぐに帰って、わたしは彼に連絡を返さなくなった、返せなくなった。あの頃の文通と根っこは同じで、わたしには自己開示をする勇気がない。あれはすみれちゃんのためだけにやっていた、しかしそれは本意ではなかったと言えばいい。深刻さはあの頃とは全くちがって、それを口にしたところで、痛い思いもしないし、仲間外れにもされ
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