光りになれない。/中田満帆
 
拠り所などいらない、──ただおれたちが生きていたっていう記述が欲しいんだってことに
 おもいもよらず、ぶち当たってしまったんだ
 ああ、こんなところで、
 そう、こんなところで、
 醜さまでも素粒子へと変換させる、そんな力を望むまま、
 この沙漠のなかで黒いマリアの帰還を待ちわびる、
 そんな永遠の正午さ、
 その道すがら、
 おれは最後に云った、「きみがもし現れたら、
 キャデラックと結合したおれの陽物で、
 きみの大切なものを破壊してやる」ってな。

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