ミイちゃん/そらの珊瑚
 
「きのうのよる、ミイちゃんがかえってきたみたい。ほら、からっぽになってる」
わたしは妹に話しかけた、からっぽのミイちゃん用の銀色のお皿を持って。
「ほんとだ、ミイちゃん、かえってきてごはんたべたんだね」
もうすぐ小学生になる妹は眼を見開いて嬉しそうにそう言った。

わたしは小学校を卒業したばかりだった。それに関しては悲しくも、そう嬉しくもない。レールの上を外れることのない電車に乗っているんだとふと思っただけ。
生理が始まってしまったことは腹立たしい。



きのうの晩、妹と二人でそのお皿にキャットフードを入れた。からん、からん。買い置きのフードの袋を傾ければ、それは最後の一食
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