ある耄碌老人の朝/室町
 
朝起きて濃いめの緑茶を飲んでから
手製の蒸しパンをつくる。
カップ一杯の米粉に大さじ二杯の砂糖と
塩少々、そしてドライイーストを
小さじ一杯。
そこに温かいお湯を入れて
溶けたチョコレートのような柔らかさまで
練る。50回ほど練ったらラップをし
25度ほどの室温(なければ布団の下)で
30分ほど放置する。
メールを点検し
ネット投稿板のビーレビと現代詩フォーラム
の投稿作品をざっと読む。それから
ツイッターXに付いたコメントの一部に
返事をしていると
タイマーのブザーが鳴る。
みると手頃な器に入れたパン種が
沸騰したように泡をふいてこぼれそうに
なっている。

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