ガラスの三日月/秋葉竹
せたこともない
真剣なひたむきさで
青みがかった夜空を
みあげている
いつもぐるぐる回ってばかりで
本当のエアリアルなんかに
辿り着けるはずもなく
それでもガラスの三日月が
天空に突き刺さるのをみている
それはみつづけていては駄目だと
真剣な声で止めるものもある
みせたこともない
ハヤブサのようなまなじりで
ガラスの三日月を
みあげている
わざと知らないふりでもして
突然の祈りでもあるかのように
軽く手首を振って断るつもり
あなたのことを好きになるなだなんて
なんの聖域があるから
それになんの意味があるから
そんなこと云うの?
もう僕に火はつけられてんだ
怖いけど
だからといって
退くわけにはゆかない道ゆき
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