花びら舞う夜にみつけたハッピー/秋葉竹
 
気がする


時間を失くしたことがある

君と重なり合いながら
悲しい涙を流してしまったときだ

それはにどと
取り返しのつかない
ナイフで深く深く抉った傷を刻んだ

どんなにとおくを探しても
み失った船をにどとみつけられない
傷は乾くことなくジンジンと
ドクンドクンと
疼きつづけている

あるいは君のあの泣き声を
聴いた風景がまぼろしだというのなら
港湾に舞う花びらは
悲しみのためにすべて海の底に
沈んでゆくだろう
だから
希いとてなく
暗い海の底に
しずかなハッピーな国があるという
そこで息ができるのなら
君と僕はどうにかすこしは安らかな
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