鏡像(18)「死の砦」?/リリー
 
組み直される集会室の祭壇
 「なんぼ私ら忙しくても、こんな物!立てとけへんでしょうが…。」
 「そりゃそうや。」
 「隣の人ら(細い歩道跨いで建つ施設のスタッフ達のこと。)
  老人ホームさんとこ、また葬式してはるでぇって思ってはるやろな、
  これ。」
 「うん。集会室丸見えやもんなぁ。」
 「スクーターのお坊さん、しょっちゅう来てるしな。」

 この日も手際よく祭壇を組む職員らの耳に
 隣のホールで午前のカリキュラムのレクリエーションを担当する
 若い寮母の声が聞こえていた
 今日はビーチボールサッカーをしているのか
 変わりない日常の様に
 
 当時、スペシャリ
[次のページ]
戻る   Point(5)