鏡像(18)「死の砦」?/リリー
 
ャリストでなかった私たちは天使の仮面を被る
 死神でもなく、人間であり
 「寮母」とは何なのか?を再び胸に問えば
 おのおの口には出来ない想いを抱える
 組織に守られた「痛い同士」であったとも言えるだろう

 そして私は二月下旬の深夜、
 日赤救急医療外来のベットに居た
 「血が出ませんね…。ごめんなさい、こっちの腕もダメですね。
  痛いけど太腿の付け根にしましょう。」
 中年の看護婦さんから五本目の採血の注射針を刺される

 高熱と腹痛を訴える私へ精密検査の為の入院が宣告された
 ベットの上での苦しさや不安よりも
 入院という医師の言葉を聞いた瞬間、私の背中は軽くなったのだ
 
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