鏡像(17)「死の砦」?/リリー
 
を持参し
 疲れて自炊も出来ていない生活だった

 「休んだらどうなんや?けど…、今、無理か。」
 旧館の一階がインフルエンザの患者でほぼ全滅
 「あんた、病気になるで。」
 それこそ高熱でぶっ倒れない限り休養など許されない状態だった

 市民病院の入院患者と退院後の居室療養中患者で
 休日のシフトも確保できない
 インフルエンザに感染した職員が
 十分な休養も取れず出勤する
 感染者の居室へ出入りした職員が手の消毒だけで
 感染していない入居者の介助に当たる
 これでは 
 院内感染しても当然であった
 何故、マスコミに報道されなかったのか?

 免疫力の低い高齢者達にとって施設は
 生命の安全を確保出来る場所でなくなっていたと言っても
 おかしくなかったのだ
  

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