五行歌、原野/ひだかたけし
 
生まれ与えられ育てた愛娘は
意識の視界から消えてゆき

 雪降る三月初めの東京、

流氷の次々押し寄せる如く
時のうねり過ぎゆく速度の異様





細き橋の真っ直ぐ
伸びゆき接続する

 雪肌の

柔ら盛り上がりゆく
天土の山






それぞれが直線の
両端に位置する

 和と霊性、

真っ赤な真っ赤な
線の充溢に依り結び付く

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