この夕刻/
ひだかたけし
この夕刻、
しずかにして斜光射し
木々の茜に染まり
ゆらゆらの揺れ
気の冷涼の蠢き精妙に
包み込まれる心の安らぎ
とおくとほく
すきとほる青の高み
広々響く中有の音色
そよぐ魂の
この夕刻、
盛んに浮かぶ顔々
見知らずにして忘れじの人たち。
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