猫のうた/秋葉竹
よこなみ、海はどこに牙を隠す。
目にはみえない太陽がどこに、
隠れているかもわからないままで。
終わった、わたしは、なにもいらない。
わたしは、そんなに悲しくはない。
わたしはそんなに、つらくはない。
むかし爆弾を投げたい不満のなか
その想いを弱いものとしてネジリ殺した。
そういえば君は、人は弱いから嫌いって、
それだから君は、猫になったんだったね。
そう、そんなにも、美しい君は、猫。
追えば逃げるし、寂しくなるし。
忘れたら擦り寄り、みゃあとなくし。
生きていける世界が狭くなって
君に逢えるとき以外は、
なにかを失ってしまった時間が過ぎる
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