あなたのかたまり/パンジーの切先(ハツ)
く広がって、わたしのからだを傷だらけにした。
あなたのかたまりも、15から、9になり、9から20になり、20から、5に、3にと減っていくことはわかっている。だって昨日の晩は思い出さなかった。
耳から外れたヘッドホンから、遠く、革命が聞こえる気がして、耳を澄ます。足を引きずり、息も絶え絶えに為される革命が、わたしを忘却へ駆り立てるために、丸の内駅のホームにうっすらとながれている。あなたはとっくにどこかへいってしまった。わたしはバクバクする心臓がやっと落ち着いたことに気づいて、ヘッドホンを首から外してユニクロのバッグにしまおうと、巾着型のバッグの口を縛っている紐をのろのろとほどき、やっとのことでヘッドホンをしまった。忘れるためには、生きるしかないと、あたりまえのことが、丸の内駅のホーム、放送に拾い上げられて、流れる。(忘れるためには、生きるしかないので、)
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