鏡像(7)「コミュニティ」?/リリー
 
十数名のベッドパットやシーツ、衣類の洗濯へ取りかかる
 私が大きな洗濯カゴを洗濯場へ運んでいると
 廊下で出合う一般棟の入居者のSさん

 「あ、Sさん、いつもどうもありがとうございます!」
 エプロン姿の似合う彼女は、
 一階で要介助者の認知症で徘徊のある方へ
 付き添ってくれている

 彼女と仲の良い方々も同じように
 脚が不自由だったり目が悪い方の見守りに参加くださる
 寮母が忙しくしている時
 自発的に、大食堂への誘導や食事を終えて居室へ戻る時にも
 連れ立って送って行ってくださるのだ
 
 午後には洗濯場から次々に
 多目的ホールへ運ばれてくる要介助者達の洗濯物の山
 数名の一般入居者達が長机で、それを
 せっせと畳んでくださる
 
 寮母の私達からすれば
 どれだけ、助かっていたか分からない
 いつも頭を下げて感謝を伝えるのだった
 

 
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