夜へ行く/秋葉竹
 


  

急ぎつつ
ただ透明なアリの群れ
探しているまに日暮れる寂しさ


虚ろという
遊びにできない悲しみが
甘いと感じる夜ココア飲む


憎しみを
風呂場の鏡のまえに置き
そのうち明るい笑顔になります


透きとおる
羽を広げて夜を翔ぶ
シンギュラリティみたいなトビウオ


寂しさが
どこまでいっても消えなくて
悪いひとでも好きになりそう


星のせい
眠れないかもそういえば
今夜は星がけっこう饒舌


赤い灯が
点滅している上空に
飛行機みおろすみたいに極星









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