ルート/凍湖(とおこ)
 
口を開こうとしてやめ
口を開こうとしてやめ
そのうち億劫になってごろ寝をする

現実が早すぎる
明日も生きるはずだった人たちの時間が断ち切られ
まともな水も食料もない

そんな日々が続いてるときに
植物のようにいるのはむずかしい

地球はまるいから
つながっているのに
つなげていない
時間の
関心の
断裂のなかで
言葉はさびしい

それでもあなたの前に
ときおりあらわれる異物として
NO WARと言う

のーうぉーと
遠吠えのように叫べば
重なる声があり
あなたとわたしの根につながる

その水を吸い上げて
照りはえる緑に染まる
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