くれないの風が吹く/秋葉竹
イヤホンが外せない深夜3時に
けっこう珍しい白黒の夢を二度みた
なにも起こらなかった昨日今日の
彼の真っ黒な慟哭を聴いた気がするよ
すべてを棄てたって云ってたよな
なにひとつ悲しいことなどないなんて
ずいぶんとありきたりな嘘をついてんじゃん
殺されるほどの嘘はついてないさいやマジで
洗いざらい綺麗さっぱりわからないことは
わからないままで僕たちは自分を信じた
お前のことも信じた無条件に信じた夜は
みんな陽気に星空みあげて笑っていたな
だれも心配しないもんだからひとり雪に
まみれてニコニコ冬を楽しんでんだぜ
僕はというと悲しみを心
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