はばたきは、いつか/ホロウ・シカエルボク
 

あなたは枯れた蔓を集めて、血管をこしらえた
わたしは綿毛を集めて心臓を作り、それを繋いだ
なにも無いこの地にはいつも、優しく撫でるような風が吹いていて
そのせいでわたしはいつだって落ち着かなかった
たくさんの鳥がいっせいに飛び上がるのを見たの
冬にしては暖か過ぎる日のことだった
わたしはかれらがなにかの兆しを感じ取ったのだと思って…あとをついて行きたくて仕方がなかったけれど
あなたには微塵もそんな思いは無く、だから
わたしはそこを立ち去るべきだと決意したの

風の中で、ずっと、だれかがつぶやいているような気がしていた
それはきっとあまり褒められた存在では無かったのだ

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