再生 ―空洞という名の根のしらべ―/菊西 夕座
 
あなをつたい

ながされた血でカーペットをしきつめると
   わたしのたましいはちかにくうどうの根をはりめぐらせる

やがて芽をだすだろうラベンダーのむすめたちは
   モグラが潮ふいたゆたかな幻そうのなごりをえんじる

その薫香劇にさそわれて土ぼこりがワルツをおどり
   けんばんのばんそうがうもれた屋台骨に音かいをさずける

ちじょうをはしりぬけるうつむきのランナーは
   ちていにあし音のなみだをはんきょうさせながら骨みをかるくする

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