峠道/まーつん
 
この峠の一部になれたら
きっと、深く眠れる
死んだことも忘れるくらい
安らかに

四季に逆らわず
空を巡る風

淀みに濁らず
海に還る水

峠の道を私は歩く
積んでは崩すを
繰り返す街に
病み疲れた身体で

何処にも行かず
降り積もるのが土

総てが砕かれた慣れ果ての姿で
踏みつけられて道となり
私が来るのを待っている



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