源氏 其の三/
藤原絵理子
明石
もしほ焼く海人のころものかわけどもきえかへる夜の袖におくつゆ
澪標
かずならぬみをつくせども難波潟ふしのまほどとうきよはわたる
蓬生
あきの花もかれて果てつるわが庭のまつのみ青きもとの心と
関屋
あふさかと呼びし流れをせきとむるすぎにし方の葛をうらみむ
絵合
ひとりゐて過ぎにしよひのかたしきの月みし袖もあはれなりけり
松風
ちぎりしもはやくのことと思ひたえまつが枝わたる音をのみぞなく
戻る
編
削
Point
(2)