春、夏、秋、冬/
ひだかたけし
秋の到来に
夏の滾る熱が鎮まる。
高く濃くなる青の空に
漆黒の死の予感が孕まれる。
気付けば冬の冷気が
秋の優美な透明を強張らせる。
夏は冬の最中に
すっかり身を委ね、
凍結の渦中に滅んで
春の夥しい芽生えを呼び込む。
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