Rend Fou/ホロウ・シカエルボク
間もなく、俺は顔面から地面に叩きつけられた、脊髄を拠点にして、全身の骨が一瞬で砕ける感覚があった、もうなにも見えなかった、呼吸も出来なかった、地面が冷たかった、かなりの血が流れているのだろう、耳だけがまだ音をとらえていた、あの窓を開けることなんて出来ないはずなのに、誰かが嘘だろという調子でそう呟いたのが聞こえた、なあ、あんた、説明してくれないか、俺はそう懇願しようとした、でも、もう、なにも思い通りにはならなかった、真っ白い世界からは逃れることが出来たけれど、もうすぐ完全に、真っ黒い闇に飲み込まれようとしていた。
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