Rend Fou/ホロウ・シカエルボク
 
った、目にしていたもの、手に取っていたもの、口にしていたもの、動作―なにも、瞬間に世界は塗り替えられた、俺は茫然として事の成り行きを見守った、数分―もしかしたら数時間だったのかもしれないが、その間はなにも起こらなかった、突然眠り込んで夢でも見ているのだろうか、そんな風に考えてみたがしっくりこなかった、とにかくある程度の時間が過ぎてから、身体の自由が利くようになった、とはいえ、ほんの少し確かめただけで、そこでどんなことをする気にもならなかった、部屋の中は糸が絡みついているわけではなく、ただ真っ白に塗り潰されていただけだった、絵具でもペンキでも無かった、ただなんらかの方法で真っ白に塗り潰されていた、窓
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