トーク・サウンズ・テキスト。/竜門勇気
が水を吸って膨れていく
きみは上手に嘘を看破する
ぼくは自分の嘘を認識できない
きみはぼくを信じないしぼくは音楽に夢中だ
きっととても大切なはなしなんだ
わかってるよ、と言ってみる
きみは上手にぼくを刺す
肘につたう血
いたい
真夜中の暗闇の世界で蛍光灯の青い光は
実際よりずっとここを寒く感じさせるための道具
怒声を割って窓に雨粒が打ち付け始めた
寒々しい光と熱の世界
黙り続けていた
フローリングの溝に血が伸びるのを見ていた
春に買った鉢植えに生えたカビも時々見た
雷鳴
停電
た、た、と血が落ちる
きみははなしを続ける
ぼくは急に耳がよくなった
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