飢餓のうた・花咲き染めるガーベラに/ひだかたけし
氷河にお船、浮かべては
食い入る喰ってやる、オマエの肉
蒼白い透明に、いよいよ赤く染まり
眼見開かんと、この凍結の地に
ああ一気、赤の濃密真紅に眩まり
神の口すら、吐息吐く
オマエ、円成し放射状に燦光する
この蒼白い透明の
氷河辿り着く先
冷然と照らし
*
氷河にお船、浮かべては
真紅の円周、辿り廻る
ああ遂に、
オマエ オレの凍結飢餓
毅然と突き放し見事咲く
ソレ一つの祝福なら
オレはオマエという謎
食い入り喰ってやる
待って居ろよ、
凍り付く神の吐息
吸い込みながら
ガーベラ、おまえを貫く成長力
雪降る宇宙の贈り物、
恒星の子守唄に
しばし揺蕩い確かと覚醒し
おれは今夜 、
大河へ雪崩れゆく
氷河の刻一刻命削り
しずかさうねるその凄みに
遂に家路を辿るのだ 。
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