階段屋/
たもつ
子供の頃の夢がかなって
階段屋になった
便利な階段や
綺麗な階段をたくさん作って
みんなに感謝された
それなのに利用する人たちは
とても辛そうだった
階段たちに理由を聞いても
わからない、と言う
階段を連れて
郊外のショッピングセンターに
出かけることがある
階段はその度に
エスカレーターに乗りたがった
そしていつも
このままどこまでも行けそうだね
と、無邪気に笑う
(初出 R6.2.6 日本WEB詩人会)
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