好き/由比良 倖
 
いました。
そして、そういうあなたに甘えていると思いました。
あなたの言葉は私にとって真言ですが、
あなたが私に無茶を言わないこともまた分かっているのです。
あなたが、ゆっくりしてくれ、と言ってくれれば、
その言葉に寄りかかって、私はいつまでもゆっくり出来るのです。
なのにときどき死のうとする。
あなたから優しい言葉を引き出すために?
優しくされすぎると怖かったりもします。
優しさに、あなたへの好きが、好きでおかしくなりそうな内に、
溶け込むように死にたいと思うのです。

あなたの趣味の話が私は好きです。
何故ならあなたが好きなものたちは私も好きに決まっているからです。
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