虹が出るかもしれない/itukamitaniji
虹が出るかもしれない
大嫌いな数学の宿題もそっちのけで
雨を眺めていた 頬杖をついて
身体は確かにここにあるのに
心はどっかへ行ってしまったみたいだ
そう言えばあの日もこんな雨だったっけ
逃げ込んだ屋上で ふたり雨宿り
打ち明けてくれた君の夢の話は
とても眩しくて目を伏せてしまった
吹奏楽部の練習をBGMに
書き進めていく 物語はやけに
君との思い出ばかりを詰め込み過ぎて
何だか嫌気がさすけれど
君と居た日々が 普通の日々に
飲み込まれてしまわないように
私は今日もペンを走らせる
追いつかれないように 必死なの
チャイムの音でふと我に返った
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