置き去りにされた夜に/
ひだかたけし
なんにもない
ひろがり
ほんのりあからみ
そまりいく
磔刑の無力耐え忍び
呪言を読み聴かす
置き去りにされた夜に
〈向こう岸が見えるかい?〉
と、
鋼の声で 無限の宇宙の内面へ
なんにもない
ひたすらひろがり
ひびきのさなか
ほんのり赤らむ頬の
噴き上がる真紅の内面
懐かしいソノ余韻を掴み
更に覚醒するこの意識
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