distance/ 湯 煙
 




 銀杏並木
 沈黙のたしかさ

 煙草に火を着ける 
 マフラーをほどく

 散らばる陽色の実
 街に集散する鳥たち
 風は午後を吹き抜け 

 永遠
    くちていく

  彼らもまた


 空の理と人の口
 鉛筆で往復する

 絶えない応酬と
 一日の報酬
 舌の裏の渇き

 飲み干す
 ドリップされた滴
 対価としての

 楕円をみたす
 息をあたらしくする
 
 等号
 そして雨
 受信していく
 マナーモードの刹那





戻る   Point(5)